家計の長期プランを作るとき、いつも手が止まる項目があります。
それは将来の昇給を、いくらで見込めばいいのかというポイントです。
多めに見れば計画はバラ色になるけれど、外れたとき一気に苦しくなる。
かといってゼロにすると、過度に悲観的なプランになって、今の生活まで縛りすぎてしまう。
このさじ加減、けっこう難しいですよね。
先日、車の整備で想定より出費がかさんで、ライフプランの支出側を上方修正しました。
そうなると当然、収入側も見直さないとバランスが崩れる。
その流れで「昇給をどう織り込むか」を考えて、我が家なりのルールに落ち着きました。
結論から書くと、「支出は厚めに、収入は薄めに」という非対称の置き方です。
そもそも、なぜ昇給の見込みは難しいのか
昇給は、入れ方ひとつでプランの印象がまるごと変わります。
毎年しっかり上がる前提で組めば、10年後の家計はずいぶん楽に見える。
でも、その「上がる前提」が崩れたとき、計画は一気に成り立たなくなります。
逆に、昇給をまったく見込まないと、今の収入が定年まで横ばいという前提になる。
これはこれで現実離れしていて、必要以上に切り詰める計画になりがちです。
つまり、楽観に振れても悲観に振れても、どちらもプランの精度を下げる。
ここが、昇給見込みの厄介なところでした。
我が家のルール:支出は厚め、収入は薄め
悩んだ末にたどり着いたのが、支出と収入を意図的に非対称に扱う、という考え方でした。
支出(インフレや整備費など)は、固めに、やや多めに見積もる。
外れても「思ったより安かった」で済むからです。
収入(昇給)は、保守的に、確定した分だけ織り込む。
期待を入れて外れると、計画全体が崩れるからです。
この「支出は厚め、収入は薄め」を徹底すると、出来上がったプランは現実よりやや厳しめに出ます。
でも実際はそれより良い方向にブレるので、家計が破綻しにくい。
下振れに備えて、上振れは当てにしない、という構えです。
昇給を「実額のルール」に落とし込む
方針が決まったら、次は具体的にいくらで入れるかです。
こうたの会社は、ここ数年は毎年ベースアップが入っています。
でも計画では、あえて控えめに「2年に1回ベアがある」前提に置きました。
実績より厳しめに見積もる、というさっきの原則どおりです。
金額の決め方も、感覚ではなく根拠を紐づけました。
ベアがだいたい3%入ると、基本給が1万円ほど増えます。
ただし、額面が1万円増えても、社会保険料や税金が引かれるので、手取りの増加はその75〜80%くらい。
その手取り増の半分を貯蓄に回す、という自己ルールを当てはめると、月5,000円ほど。
なので「2年に1回、毎月の貯蓄額を5,000円ずつ増やす」という形で、ライフプランに入れることにしました。
厳密に言えば手取りベースでは4,000円弱が正確ですが、頻度を「2年に1回」と控えめにしている分で相殺されるので、5,000円で据え置いています。
このくらいの大ざっぱさが、続けるにはちょうどいいと思っています。
増えた分は、まず現金に積む
もうひとつ決めたのが、その増額分の置き場所です。
我が家は、この増えた貯蓄分を、当面は現金で積んでいく方針にしました。
投資(NISA)に回すのではなく、です。
理由は、現金貯金増額が効いてくる時期が、ちょうど子どもの教育費のピークと重なるからです。
教育費のように「使う時期が決まっているお金」は、その直前に相場が下がっていると、減った状態で取り崩すことになりかねません。
せっかく増やした余力を投資に固定して、いざ学費が必要なときに「資産はあるけど現金がない」では本末転倒です。
実際に試算してみると、増額分を現金に積んでも投資に回しても、定年時点の資産はほとんど変わりませんでした。
それなら、教育費の山場を確実に乗り切れる現金を厚くしておくほうが、我が家には合っている。
そう判断しました。
いちばん効くのは、積立の微調整ではなかった
ここまで考えて、ひとつ大事なことに気づきました。
2年に1回5,000円ずつ積立を増やしても、定年時点の資産に与える影響は、思ったより小さいのです。
金額にして、数十万から100万円ちょっと。
悪くはないけれど、人生を変えるほどではありません。
資産を本当に大きく動かすのは、毎月の積立の微調整ではなく、収入そのものの増加でした。
特に、昇格して基本給がまとまって上がれば、ボーナスに回せる額も増える。
月々の生活費を圧迫せずに上乗せできるぶん、これがいちばん効きます。
家計の最適化で動かせるのは数百万円。
でも、キャリアで動くのは桁が違う。
そう考えると、お金の設計と、仕事での目標が、同じ方向を向いているのが理想なんだと思います。
まとめ:下振れに備え、上振れは当てにしない
昇給をライフプランにどう入れるか。
我が家の答えは、こうなりました。
支出は厚めに、収入は薄めに見積もる。
昇給は「2年に1回、ベア相当の手取り増の半分(月5,000円)を貯蓄に上乗せ」と、実額のルールに落とす。
増えた分は、教育費の山場に備えてまず現金に積む。
そして、ライフプランは一度作って終わりではなく、毎年見直す道具として使う。
インフレの進み方や、実際の昇給、子どもの進路を見ながら、その都度バランスを調整していけばいい。
いい未来を見込みすぎるのも、怖い。
でも、悲観しすぎても動けない。
その間で、確定した分だけを淡々と積み上げていく。
それが、いちばん負けにくい構え方なんだろうなと、今は思っています。



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