生活防衛資金は「金額」より「月数」で見る|インフレで静かに目減りする防衛力の保ち方

家計管理

生活防衛資金、一度決めたきり、そのまま放置していませんか。

我が家は400万円を生活防衛資金として置いています。
失業や休職で収入が途絶えたときに、生活を守るためのお金です。
設定してからまだそんなに経っていないこともあって、
一度決めてから、金額の見直しはまだしていませんでした。

でも最近ふと思ったんです。金額は400万円のまま変わっていなくても、その「防衛力」は静かに目減りしているんじゃないか、と。

今日は、生活防衛資金を金額ではなく「何ヶ月暮らせるか」で考えて、どう見直すかという話を書きます。

生活防衛資金の正体は「金額」じゃなくて「月数」

生活防衛資金って、つい「いくら持っているか」で考えがちです。
でも本質は金額そのものじゃなくて、「その金額で何ヶ月暮らせるか」なんだと思います。

式にするとシンプルで、生活防衛資金 = 1ヶ月の生活費 × 維持したい月数、です。

我が家の場合、月の基礎生活費がだいたい29万円。
これで400万円を割ると、約13.8ヶ月分になります。
つまり収入がゼロになっても、1年とちょっとは今の暮らしを続けられる、という計算です。

ちなみに、この400万円という金額に深い根拠はありません。
基礎生活費の12ヶ月分だと少し半端だったので、キリよく400万にしただけです。
最初はそのくらいざっくりで十分だと思っていて、大事なのはこのあと、その金額を理屈で回していくことだと考えています。

防衛資金を増やすべき時は、2つに分けて考えられる

「防衛資金、そろそろ増やしたほうがいいのかな」と感じる時。これ、よく見ると2つのパターンに分けられます。

ひとつ目は、1ヶ月の生活費そのものが上がったとき。
物価が上がれば、同じ暮らしをしていても支出は増えます。
子どもの進学で教育費が膨らんだり、住宅ローンの金利が上がったりしても、守るべき月額は大きくなります。
特に教育費がかさむ時期に休職や失業が重なったら、と考えると、防衛資金もその膨らんだ生活費に合わせて引き上げておきたいところです。

ふたつ目は、維持したい月数のほうを増やしたいとき。
投資の比率が上がってくると、暴落が来たときに慌てないために、手元の現金をもっと厚くしておきたくなります。
転職直後など、雇用が一時的に不安定になる時期も同じです。
生活費は変わっていなくても、「12ヶ月分」を「14ヶ月分」に増やしたくなる、という話です。

この2つは原因がまったく違うので、分けて考えたほうが、自分がいま何に反応して不安になっているのかが見えやすくなります。

インフレが、静かに「月数」を削っていく

このうち、いちばん気づきにくいのがインフレです。

物価が上がると、同じ400万円でカバーできる月数が、知らないうちに減っていきます。

たとえば、インフレで月の生活費が29万円から31万円に上がったとします。
すると、400万 ÷ 31万 = 約12.9ヶ月分。さっきまで13.8ヶ月分あったものが、約1ヶ月分減っている計算です。

通帳の金額は1円も減っていないのに、防衛力だけが静かに痩せている。
これが「放置のリスク」なんだと思います。
何もしないと、生活防衛資金は実質的にじわじわ目減りしていく。
インフレが怖いのは、この見えにくさです。

だから、削れた「1ヶ月分」を足し戻す

じゃあどうするか。
考え方はシンプルで、削れた1ヶ月分を、1ヶ月分の積み増しで埋め戻すだけです。
我が家なら、月の生活費が約30万円なので、ざっくり30万円を足せば、また元の月数に戻ります。

ペースの目安もざっくり持っておくと楽です。
年2%くらいのインフレが続くなら、
4〜5年に1回、1ヶ月分を足せば防衛力は保てる計算になります。
月の生活費が約1.078倍になると13.8ヶ月分が12.8ヶ月分まで減るので、
年2%ならだいたい4年、という感じです。

「◯年おきに◯万円」と金額で機械的に決めてしまうより、「1ヶ月分」という刻みで考えるほうが、自分の生活実感に合っていて調整しやすいと感じます。

決め打ちのルールより、毎年の点検で回す

なので我が家は、防衛資金を細かいルールで縛るのはやめました。

最初の400万円は、あくまで基準点です。
そこから先は、毎年の資産棚卸しのタイミングで、点検項目として見直すことにしています。

見るのは3つだけです。
月の生活費が目に見えて増えたか(インフレ・教育費・金利)
投資の比率が上がってきたか。
雇用に不安な要素が出てきたか。
このどれか1つでも当てはまれば「1ヶ月分足す」を検討して、何もなければ据え置き。
足すと決めたら、先取りで確保しておく。

これくらいゆるいほうが、かえって長く続けられるなと思っています。

まとめ

生活防衛資金は、金額ではなく「何ヶ月暮らせるか」で管理する。
インフレやライフステージの変化は、金額が同じでも静かに月数を削っていく。
だから最初はざっくり決めて、あとは毎年点検して、削れた分だけ1ヶ月分ずつ足し戻す。

決め打ちのルールをつくるより、基準点を1つ置いて、あとは理屈で回していく。
そのほうが、肩の力を抜いたまま長く続けられるんじゃないかと思います。

なお、何ヶ月分を持つのが適切かは世帯によって変わります。
我が家は共働きで妻にも収入があるので、1年分あれば十分という判断です。
片働きのご家庭なら、もう少し厚めに見ておいたほうが安心かもしれません。
これは投資をどうこうという話ではなく、あくまで手元の現金をどう保つか、という話として書きました。

そもそも生活防衛資金をいくらにするか、なぜ我が家が400万円にしたのかという最初の金額の決め方については、生活防衛資金、半年分では不安だった|我が家が400万円にした理由に書いています。

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