特別支出の積立で年間収支を安定させる【考え方編】

家計管理

毎月の家計はそれなりにちゃんとやっているつもりなのに、なぜか年末になるとお金が残っていない。そういう感覚、ありませんか。

収支表を見ると黒字のはずなのに、貯金がじわじわ減っていく。「どこかに穴があるはずなんだけど、どこだろう」とぐるぐる考えてしまう。

この「見えない穴」の正体が、いわゆる「特別支出」です。車検、帰省費、冠婚葬祭の御祝儀、子どもの学校行事費、季節ものの衣類の買い替え……毎月ではないけれど、確実に発生する出費のことです。

「月次の収支管理」だけでは落とし穴にはまる

家計管理をきっちりやろうとしているひとほど、「月次の収支」に目が向きがちです。食費・日用品費・娯楽費といったカテゴリを毎月チェックして、「今月は黒字!」とほっとする。それ自体は悪くないのですが、月次管理だけでは「年に数回しか来ない出費」が視野に入りにくいんです。

心理的にも、「まだ先の話だから今は考えなくていい」となってしまいがちで、いざそのタイミングが来ると「急に出費が発生した」という感覚に陥ります。でも実際には急でも何でもなく、毎年必ずやってくる出費です。

ここが問題の本質だと思っています。お金の管理がうまくいかないのは、意志が弱いからでも、収入が足りないからでもなくて、「年間の出費の全体像を見ていない」から、ということが多い。

気づいたのは、車検の請求書が届いたときでした

我が家では、数年前まで特別支出の積立をまったくやっていませんでした。毎月の収支管理はそれなりにやっていて、食費も日用品費も大きくは外れていない。でも何かの拍子に貯金残高を確認すると、思ったほど増えていない。それが続いていました。

気づいたきっかけは、車検でした。15万円ほどの請求が来て、「あ、これ今月の貯金分が全部吹っ飛ぶな」と思ったんです。その月だけでなく、その前後も帰省の交通費や子どもの学校の写真代やらが重なっていて、気づけば3ヶ月分くらいの積立が一気に消えた感覚になりました。

妻に「今月ちょっとキツいかも」と話したら、「でも車検は毎年来るでしょ?」と言われて、ぐうの音も出なかった記憶があります。そうなんです、毎年来るんです。なのになぜか「急に出費が来た」という気分になっていた。

それから、年間の特別支出をリストアップしてみました。車検、帰省(盆と年末の2回)、子どもの学用品の更新費、固定資産税、冠婚葬祭の見込み額、旅行代金……。洗い出してみると、年間で30〜40万円くらいになっていて、それを12で割ると月3万円前後。毎月3万円を「特別支出用」として別枠で積み立てれば、あの「急に出費が来た感覚」はなくなるはずだと思いました。

実際にやってみると、本当にそうでした。車検の請求が来ても「積立から出せばいいだけ」という感覚になって、焦りがまったくなくなりました。

考え方の整理——特別支出は「想定外」ではなく「想定内」にできる

ここで整理しておきたいのは、「特別支出の積立」というのは、節約とは少し違うという点です。支出を減らすわけではありません。「来ることがわかっている出費を、毎月少しずつ前払いしておく」という発想です。

考え方のポイントをまとめると、こうなります。まず「去年1年間に発生したイレギュラー支出」を通帳やカード明細から洗い出す。次に合計金額を12で割り、毎月の積立額を決める。そしてその金額を、生活費の口座とは別の口座やサブ口座に自動移動させる。

この3ステップだけです。難しいことはひとつもなくて、「年間支出の全体像を一度だけちゃんと見る」という作業がほぼすべてです。一度やってしまえば、あとは毎年同じ金額を積み立てていくだけです。

副次効果として、「今月の生活費」と「将来の出費のための積立」が口座で分かれていると、残高を見たときに「これは使っていいお金」と「これは取り崩してはいけないお金」の区別がつくようになります。家計の見通しがずっと楽になります。

今日からできる小さな一歩

難しく考えなくて大丈夫です。今日できることはひとつだけ。去年1年分の通帳かカード明細を開いて、「月次の固定費でも変動費でもない支出」を全部拾い出してみてください。10〜15分あれば終わります。金額の大小は問わず、まずリストを作るだけでいいです。

それを合計して12で割った数字が、「毎月積み立てておくべき特別支出の額」の目安です。この金額を見て「そんなにあったのか」と思う方が多いはずで、その驚きが「積み立てよう」という動機になります。

どこに積み立てるかは、まず銀行の別口座でもネット銀行のサブ口座でも構いません。自動振替にしておくと、考えなくても積み立てられます。

まとめ——「急に来た出費」の9割は、実は予測できる

「急に大きな出費が来た」という感覚は、かなりの確率で「ずっと前からわかっていたはずの出費を、管理の外に置いていた」だけです。こうした出費の大半は、去年の明細を見れば予測できます。

我が家でこれを始めてから、家計の「穴が開いている感覚」がだいぶなくなりました。毎月の収支管理は変えていないのに、なぜかお金が残るようになった。「特別支出の積立」という言葉は地味ですが、体感の変化はかなり大きかったです。

まずは去年の明細を30分見返してみるだけでいいと思います。それだけで、今年の家計の見え方がちょっと変わるはずです。


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